2018年度 速修テキスト利用 川端 兆隆様
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5マルチライセンス取得を目指して
中小企業診断士を目指した理由
薬学部を卒業後、バイオ・医薬の研究者を20年ほど続けていたが、12年前に弁理士資格を取得しその後は、特許事務所で特許業務、国立研究開発法人において、技術移転やスタートアップベンチャーの知財支援の業務を行ってきた。
最近、特許庁や経産省において、中小企業に対する知財支援の必要性が議論され、1つの試みとして弁理士の知財コンサル業務が提案されてきた。私も、中小企業の知財コンサルに興味を持ち研修やセミナーに参加したが、中小企業支援を行うための基礎的な知識が不十分であると認識した。特に、企業経営、会社法、財務会計、中小企業施策等の知識を体系的に学ぶ必要があると感じたが、これらは中小企業診断士の試験科目である。したがって、中小企業診断士の受験を通じ、合格を目標とすれば、これらの知識を拡充することができるのではと考えた。
早稲田出版の書籍を選んだ理由
通勤に往復3時間半もかかり、業務も多忙で受験予備校に通うことは不可能であった。通勤時間を利用することで、マークシートで選択式の1次試験を合格することは、それほど困難ではなかったが、記述式の2次試験を突破することができなかった。
2次試験では、3回目の受験からBBAA、AACAの成績が得られ、あと1歩というところまで実力は向上したが、合格することができなかった。1次試験は正解枝を選べば良く、消去法も有効であるが記述式の2次試験では通用しない。受験予備校等で体系的に講座を受講する方が良いと感じたが、時間的な余裕がなかった。
たまたま、書店でTBC受験研究会2018年度の速修テキストを見つけて、1次2次科目合わせて無料で100時間超の動画がネット視聴できることを知って驚いた。通勤時間や、すき間時間を利用して動画視聴することが可能と思い、早速、速修2次テキスト、速修2次過去問集全科目を購入した。
TBC受験研究会活用法
合格のために自分にかけているものは何かを分析してみた。時間をかければ、全科目について合格点を取ることはできるであろう。しかし、
80分という制限時間内に合格答案を、安定的に作成することができない。ところが、TBC受験研究会の速修2次テキストで、動画を含めて詳しく解説されている、具体→中小→具体の思考パターン(以下、TBCメソッド)を確立して対処すれば、時間を大幅に節約し、試験委員の意図を外さずに80分内に余裕をもって答案作成することができると考えた。
速修2次テキストでは、抽象化するために必要な抽象化ブロックシートが巻末にカード形式で収録されている。これを切り離して、常時し、通勤時間や休憩時間に何度も見ることで、暗記した。TBCメソッドを確立するために、過去問を使って何度も演習を行った。初見問題に対応できるか不安であったが、2次試験の直前に受験した予備校の模擬試験では、いずれも上位10%以内の成績が得られ、今年度で合格できるのではという自信を得た。これまでは、試験前の不安感から体調を壊してしまい自滅することもあったが、2018年は、自信もあり、試験の数日前からは、抽象化ブロックシートを確認するだけに留めて、ゆっくりと休養して本試験に臨むことができた。
本試験では事例I~IIIでは確かな手ごたえを感じた。事例IVは、わずかな計算ミスをしたが、
無事に合格することができた。
中小企業診断士を目指す方へのメッセージ
中小企業診断士資格を取る効果であるが、1つ目は、上記に述べたように、知識の幅を拡充できることである。試験ということ嫌いで苦手な科目でも、試験日までに試験範囲を学習しなければならないという、強制力がある。
私にとっては財務会計や経済学がそうであり、独習やセミナー受講だけでは得られない効果がある。
もう1つの効果は、自身が持っている能力や職業経験等の資源と、試験を通じて得られる知識とのシナジー(相乗)効果である。
私は、中小企業診断士の受験を通じて、中小企業が持つポテンシャルや躍動感を感じて、中小企業で働きたいと思うようになり、思い切って2018年4月に従業員40人未満の創薬ベンチャー(中小企業)に転職をした。現在は、事業開発部で特許出願等の知財業務を担当している。
中小企業は少人数で業務を行うため、各人が多様で複数の業務を果たすことが求められる。特に技術系ベンチャーでは、それぞれの業務についても、深い専門性がある方が好ましく、マルチな能力も要求される。
私は、薬剤師、薬学博士、弁理士の資格を有し、薬学と特許という2つの分野の専門家として業務を行ってきた。今回、中小企業診断士資格を取得したことで、新たに経営や事業戦略の視点からも、特許戦略を考察できるスキルが身に着いたと考えている。3つの専門領域のシナジー効果は高いと確信している。